気分の浮き沈みが激しいと感じたら
気分障害
感情(気分)が自分の意志でコントロールが効かなくなるのが主な症状で、代表的なものとして、双極性障害(躁うつ病)、うつ病などがあります。
双極性障害(躁うつ病)
気分が高まって、何でもできる気がする状態と、落ち込んで何もできなくなってしまう状態を繰り返す病気です。生涯有症率は0.7%と言われ、おおよそ1000人に7人ほどの割合で発症すると言われています。社会生活を営んでいくときには、躁状態であるときの方が難しく、全能感から突飛な行動をしてしまうなど問題行動に発展してしまうことも多いです。また病気であると自覚できないことも多く、躁状態の時には人の話を聴くことが難しい状態となり、周囲の助言等が入らなくなってしまうという特徴があります。
躁状態になると、全能感につつまれ、
「何でもできる気」になり、
「地球が自分を中心に回っているような気持ち」 になったり、
どんなことをしても上手くいくような感覚に陥る。
「何でもできる気」になり、
「地球が自分を中心に回っているような気持ち」 になったり、
どんなことをしても上手くいくような感覚に陥る。
現在の日本での社会生活という観点から行くと、躁状態の方の抱える生きづらさは数ある精神障がいでもトップクラスだと思われる。(全能感から来る行動が社会的迷惑行動に繋がり、病識もないため)
躁状態になった時の特徴
- 外に出てしまう。
- 活動的になる。
- 何度徹夜しても平気。
- 自尊心の肥大。
- 次々にアイディアが出てきて、どれもこれも手をつける。
- 色々と手を出すが、おおよそツメが甘い。
- しかし自分の意見にケチが付くと、とても怒る(なぜ全部わかっている自分の言うことを聞かないのか)。
- 周りを巻き込んでいく。
- 病識はない。
→ 生活視点で見るとうつはそれなりに何とかなることも多いが、躁状態は基本的にコントロール不可。
うつ病
気分が塞ぎ込み、落ち込んだ状態がいつまでも持続する病気です。ストレスがきっかけで発症することが多いですが、ストレスの大きさはさほど関係なく、ポジティブな出来事によるストレスでも発症することがあります(マタニティブルーなど)。
特徴的な症状
- 抑うつ気分(日常に支障がでるレベル)
- 興味・喜びの喪失(好きな物も楽しめなくなる)
- 異常な疲れ
- 活動性・意欲の低下
- 判断力・記憶力が急に落ちる。
- 自己評価が極端に下がる
- めちゃくちゃ自分を責める(自責感情)
- 将来への悲観
- 睡眠障害(不眠、もしくは睡眠過多)
- 食欲の乱れ(食べない、もしくはずっと食べてる)
希死念慮・自殺企図
特徴的な症状としては、上記のとおりですが、一番気をつけなければならないのは、希死念慮(死にたくなる)というものです。実際に死にたくなる、という思いが出てしまうことを希死念慮、思いを実行に移す計画までを考えることを「自殺企図」と呼びます。うつ病が重度のときは、実際に身体を動かすエネルギーがありませんが、少し良くなって身体が動かせるようになった時が、一番注意が必要な状態と言われています(行動に移せてしまうため)。うつ病にかかる方は元々真面目な方が多いため、自殺しないことを約束する、というのは比較的有効で大切なことです。
元々真面目な方がなりやすい病気なので、動けないこと、意欲が下がっていることに対し、周りが考えているよりもずっと重く、ご本人にのし掛かっていることが多いのも特徴です。うつ病と診断されたら、まずは何もせずにゆっくりする、ということが大切です。また、うつ病は再発するごとに再発率があがる病気です。そのため、最初にしっかりと治療に取組み、再発防止に取組むことが重要になります。