話にまとまりがないと感じたら
統合失調症
統合失調症は、人種、性別関係なく誰でもなり得る病気です。病気になる確率は100人に1人とされ、東京の満員電車に乗ると、必ず1~2人くらいはいる程度に「珍しくない病気」ですし、それほど病状が重たくない状態であれば通常の日常生活を送れる人も決して少なくありません。症状としては、陽性症状、陰性症状という2つに大きく分けられます。
陽性症状
陽性症状とは、本人の活動が過剰に活発化してしまうことに繋がる症状のことを指します。有名なものでは、幻覚妄想状態にとも名、幻聴や幻視、幻臭など、通常時には見えない、聞こえないものを見たり聞いたりしてしまう症状です。他にも自分の考えが抜き取られてしまう、周りに伝わってしまうと感じる、いわゆる「サトラレ」などがあります。
症状(陽性症状)
幻覚妄想状態(特に幻聴が多いイメージ。幻視、幻臭などが出る人もいます)
例えば
- 考想化声:自分の頭の中で「考えたこと」が、人の声になって実際に聞こえてしまう。
→この声と会話しているのを、他の人から見ると独り言のように見える(独語) - 妄想知覚:知覚した内容とかけ離れた妄想が結びついてしまう。
→「犬がフンをした」→「宇宙からの指令が届いた!」 - 考想奪取:自分の考えが周囲に抜き取られたような感じがする。
- 考想吹入:他の人の考えが自分になだれ込んでくる感じがする。
- 考想伝播:自分の考えが他人に漏れている感じがする。
また、幻聴や幻視などといった、普段ないはずのもの見える、聞こえるといったことは、ご本人にとっては、「実際に起こっているもの」として認識されているため、「病気による症状」と認識しにくいことも特徴の一つです(ご本人にとっては、実際に起きている困り事、事実として認識されてしまう)。
▲ 幻聴はないものをあるように錯覚しているのではなく、普通の状態の時に上手くフィルタリングでカットされる、いらない情報を拾ってしまう状態。
陰性症状
陰性症状とは、陽性症状とは逆に本人の活動が過剰に沈静化してしまうことに繋がる症状のことを指します。抑うつ症状などによる意欲低下で動けなくなってしまったり、喜怒哀楽の感情の動きが鈍くなってしまう、食欲がなくなってしまうといったものが陰性症状に該当します。
症状(陰性症状)
どちらかというと身体活動を抑えるような影響が出る症状
- 抑うつ
- 感情鈍麻
- 無為症状
- 昏迷
- 緘黙 など
精神疾患への理解と、正しい知識を得て受診を薦めてください
精神疾患はその名前のとおり「病気」です。ただ、他の病気と違って、ご本人自体が「病気になってしまったこと」に中々気づけないということに、精神疾患の方の治療の難しさがあります。ご家族においても、精神疾患というのがどういうものなのかを理解することが、ご本人が抱える生きづらさや、ご家族の負担を少しでも軽減するために必要です。そして、ご家族から見て、病気じゃないかと疑問を抱くような場面があれば、どうかご家族だけで悩むことなく、病院受診を検討してください。